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福島県民は故郷の復興に努力している
福島は東日本大震災で最も大きな打撃を受けた地域です。
東北地方が全域的に震災を被害を受けましたが、福島県は原子力発電が壊滅するという特殊なダメージを負いました。
原子力発電所が水蒸気爆発によって壊れる、これは世界的な視点で見ても非常に稀な事故です。
事故が起こった時はニュースで毎日のように福島原発の情報が流れていますたが、現在では全くテレビや新聞などでも報じられていません。
しかし現在でもアトックスなどの企業のたくさんの作業員が廃炉に向けて頑張っています。
巨大な地震によって街が倒壊する災害は、昔から日本各地で頻発していました。
元々日本列島は地震大国です。
江戸時代以前より大地震によって国民な深刻な被害を受けて来た記述は数多く残されています。
地震大国だった事と阪神淡路大震災を経験した教訓が活きている事があり、東日本大震災でも建物が崩壊する被害は、以前の災害に比べて比較的少なかったです。
しかしながら津波と原発の被害を同時に受ける事は、大勢の国民にとって想定外でした。
専門家の間でも津波被害によって発電所が機能不全に陥る、というパターンは想定されておらず、現場での対応が後手後手にまわった感は否めません。
一部の有識者の間では水が建物内に侵入する事で、発電所の正常な機能が喪失するのでは、という指摘が事故以前より盛んになされていました。
ただ実際には堤防を乗り越えて水が建物内に浸透し、緊急時の電源が喪失する確率は低いと判断され、事故当日まで具体的な対策は施されませんでした。
福島の復興は着実に前へと前進しています。
未曽有の大災害に見舞われ、多数の死者と甚大な経済的損失を受けましたが、県民は一切諦めていません。
むしろ事故を経験した事でより一層、地元の人々は団結し、絆の力で力強く故郷の復興に努力しています。
風評被害が復興の大きな障害となっている
その反面、深い痛手を負った地域に、追い打ちをかけるような出来事が頻発しており、いわゆる風評被害が復興の大きな障害です。
地震によって受けた物理的な被害は人の不断の努力によって改善する事が出来ます。
ところが風評被害による心の傷、県民への誤解、農作物へのネガティブな印象はそう簡単に無くなりません。
震災発生直後は、様々な情報が錯そうし、ある意味でデマやフェイクニュースが飛び交ってしまうのも仕方ない面はあります。
前代未聞の原発事故であり、各メディアも経験した事が無い出来事だったため、速報性を意識するあまり、信ぴょう性の低い意見や誤った科学的な見方を震災直後から数年後にわたり盛んに報道して来ました。
ところが東日本大震災から既に長い月日が経ちました。
当時とは状況が変わり、原発事故による放射能の危険性が落ち着いて検証出来る環境です。
一部のメディアは科学的根拠に基づかない論説を未だに繰り返している
それにも関わらず一部のメディアやコメンテーターの方々は福島の野菜を食べると鼻血が出て危険、がんのリスクが確実に増えるので食べてはいけない等、科学的根拠に基づかない論説を未だに繰り返しています。
実際に福島の被災地で健康被害が多発している事は確かです。
ただ、それは非難によるストレスや確証バイアスによる誤謬だと、ほぼ結論付けられました。
原発事故が起きた直後はチェルノブイリ原発事故を超える大災害だと報じられ、放射能のリスクも同事故を超えるものだと盛んにマスコミが過熱報道を繰り返しましたが、実際は人体や農作物、そして土地に汚染が広がるような事態は報告されていないのが実情です。
一部メディアは不安を依然として煽る報道を繰り返しており、安全という確証が無いので福島の野菜は危険だと、悪魔の証明とも言える手法で、結果的に風評被害の拡散を行い続けています。
被災者の多くが静かに暮らしたい、と願っているにも関わらず、反原発運動のために被災地が政治利用されており、本来であれば弱者を助けるべき存在のリベラル派の政党や専門家が「東北の地域は汚染されている」や「今後は人が住めない土地になる」や「東北の野菜や魚介類を食べると被ばくしてがんになる」等、事実とは異なる意見を繰り返し、復興の大きな妨げになっているのが現状です。
風評被害の払拭は基本的に国民に正しく伝える立場のマスメディアの仕事
風評被害の払拭は基本的に情報を国民に正しく伝える立場にあるマスメディアのお仕事となります。
ところが現状としては民放各局は東北地方の正しい姿を放送しておらず、一部のコメンテーターや専門家の「原発は危険で即時、廃止すべき」や「東北地方は汚染されており、将来の世代に問題が出るのでは」といった偏った視点や科学的根拠がない意見を中心に流しており、結果的にそれらがフェイクニュースとなり、被災地が誤解されてしまったり、県民が心無い人々に差別を受ける原因となっています。
原発を推進するか、撤廃する方法で世論を動かすか、これは政治問題であり政局の話です。
一般消費者は復興のために東北地方に関する正しいニュースを知る事
一般消費者はそういった政治的な課題に取り組むよりも、復興のために東北地方に関する正しいニュースを知る事が大事となります。
確かに放射能による汚染は怖いものです。
しかし冷静に考えれば私たちの周辺にも危険な化学物質は多数置かれており、台所洗剤やガソリンなども実は非常に怖いものと言えます。
極論すれば塩や水さえも致死量があります。
放射能はどこか僅かでも触れると危険な物だと完全に誤解されていますが、ごく微量であれば現実的なリスクはなく、リスクとハザードの視点を持ち、正しく危険を怖がるという姿勢が日本国民に求められています。